3人の編集者との仕事を通じて(2)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


次に紹介したい編集者は、「もうすぐ25歳になっちゃうんです」と話すSさん。こちらも女性編集者です。


Sさんから最初に仕事の依頼があったのは、先月中旬すぎ。最初はメールでした(時間が夜中だったため)。
ギリギリまで取材の詳細に関して連絡が入らず、やきもきしましたが、当日お会いしたSさんは、ほんわかしたムードの女性でした。


Sさんとの企画は、雑誌の読者モデルを数人スタジオに呼んで、彼女たちに取材をして記事に仕上げるというもの。
こうした企画での編集者は、モデルたちやスタジオ関係者、カメラマンや他のスタッフなどが仕事をスムーズにできるよう気配りすることが大切です。
時間は限られているのでなかなか大変なのですが、Sさんはモデルのコたちとも楽しく談笑をし、私やカメラマンにも相談しながら取材の指示をしていました。
時間が思ったよりも押してしまって、待ち時間がかなり長く、ちょっとうんざりしているモデルもいましたが(私もだいぶ待たされました)、Sさんは必要以上に慌てることなく、終始ゆったりとした態度で仕事をしていたのが印象的でした。


後日、レイアウト指定(注:雑誌などのページのデザインをするために、使う写真の大きさや位置、文字数などを指定すること)が送られて、それをもとに私も原稿を起こす予定だったのですが、約束の日になっても指定が来ません。
Sさんにどうなっているのか問い合わせると、「ページ内容が少し変わって、別の内容も追加でのせることになりました。それに関しては今、私が取材しているので、取材メモは後ほどおくります」とのこと。
取材前と後で、企画内容が少しずつ変化するのはよくあることです。企画段階では思いつかなかったアイデアが取材しながら思い浮かんで、それを紙面に反映させようと、Sさんはギリギリまでがんばっていました。


じつはこのページ、私は何度も原稿の書き直しをさせられました。
1つは、デザインが何度か変わったため文字数の調整を何度かさせられたこと。
2つは、見出しなどにもっと工夫をしてほしいとのこと。


「さあ、終わった〜!」と夜中にメールで原稿を送って、そのまま寝て、翌朝起きてみて「書き直してほしいところがありますので、このメール見たら、何時でもいいので電話ください」とSさんからのメール。
「こういうことは、メールではなく電話で連絡してほしい」って私はちょっとイライラしたことも事実なのですが、
Sさんは、スケジュールが押しているにもかかわらず、終始余裕を感じさせる態度で、私一人イライラしていても仕方がないんだなあって感じたものです。


結果、ページデザインは当初想定していたよりもずっとよくなって、書き直した原稿もSさんから「ずっとよくなりました〜! ありがとうございます」といわれて、私もホッとしたものです。
もうすこしSさんが企画内容を吟味し、仕事の段取りもスムーズに進めてくれればなあって、正直思うところもありましたが、こうした仕事は効率だけがすべてではないのだなあと感じています。
実際、書き直しをしながら私も楽しく原稿を書くことができましたし。
次に、Sさんと仕事をする機会があれば、今回のことを活かして、もっと楽しいページを作りたいと私は思っています。きっと、Sさんも同じように思ってくれているはず、、、です(笑)。


〜続きは29日(土)に!