国際関係の仕事と日本人(2)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


このブログを読んでくださっている方は、日本で生まれ、日本語で生活している方がほとんどのはずです。
高校生の読者の方の中には、英語を熱心に勉強して、
「将来は英語を使って国際関係の仕事で働きたい」
と思っている方もいれば、
「日本に住んでいる限り日本語で十分。
どうして英語をこんなに苦労して学ばなければならないの?」
と思っている方、それぞれいらっしゃることでしょう。


じつはZ会会員誌『Azest』の8月号「おシゴトBOX」
「英語を使った仕事」
を取り上げることになり、私たちと英語との関係について、改めて考えているところなのです。


英語が世界語といわれるのは、世界の超大国アメリカの言葉であると同時に、公用語人口が多いということが考えられます。
公用語人口で考えると英語14億とも19億とも言われ、母語人口でトップの中国(13億)をしのぎます。
公用語というのは改めて考えると、国内で数カ国語が話されている地域で、その国の正式な言葉として公の場で使うことが認められている意味でもあります。
アジアの国々の中でもシンガポールやフィリピン、インドなどは英語が公用語となっています。
彼らが日常的に使う言葉は現地の言葉があるのですが、それとは別に公用語としての英語が存在します。
高等教育も英語で行われるそうです。
これは、英国の植民地の名残があり、逆に母語ではそこまでの教育がなされなかったという現状もあるといいます。日本とはだいぶ言語事情が異なります。
また、日常的には英語を使わなくても、他国の人とのコミュニケーションに英語を用いるという場合がほとんどでしょう。


最近「小学生から英語教育を」とか「英語公用語論」などの主張が、その可否にかかわらずなされていますが、日本語で高等教育まで受けられる、日本という国で、日本語で育った私たちが、英語を習得し、そしてそれで仕事をしていくということは、どういうことなのでしょうか?


英語を自分の武器にして、ビジネスチャンスを広げること?
それとも、世界語である英語を駆使して、国際協力の現場で自分の力を発揮させること? 


自分と英語、自分と世界とのかかわり方を考えてみることは、今現在、英語が得意であれ不得意であれ、好きであれ嫌いであ
れ、高校生のみなさんにとって有意義であるに違いありません。