社会人と大学との関係(2)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


「大学に行ったのですか?」


こういう問いを私にしてくる人は、だいたい大学を卒業していない人です。
よく聞いてみると、彼らに共通しているのは、「今の仕事をしようと思ったときには、早く現場での仕事を覚えたくて、学歴や勉強は必要ないと思っていた」という人が多いのです。
でも、仕事をずっとしていくうちに、ふと『大学ってどういうところなんだろう?』と思うようです。


そして、これは私の主観もあると思いますが、仕事でかなり実績を積んでいる人に多いような気がします。
私から見て、キャリア十分な人がほとんどです。仕事に自信を持って取り組んでいるように見えます。
でも、彼らには彼らの、自分では手に入れていない『何か』を、感じることがあるようです。


先日も、ある編集者が「私、最近本当に大学に行っておけばよかったと思っているんですよ。大学に行っていたらもっと、世界が広がったかなあって。もっと、分かっていることが多かったのかなあって」


私は、彼女の抽象的な言葉から、ほしがっているのは、「大学に行った」という学歴上の事実や、それに付随する権利や立場、もっと言えば知識などではなく、もし、自分が大学生活を送っていたら味わったであろう『経験や感覚、感情』、なのかもしれないと感じるのです。


なぜなら、そっくり同じことを、私も、大学を出ていない人たちに感じるからです。


「もし、私が大学進学を当たり前だと思わず、高校卒業後に就職しようと決めてある職業を選んでいたとしたら、もっと『社会に出て働く』ということに、度胸がついたのではないか?」


…そういう意味では、社会人となっても「大卒」というのは、いつでもついて回るものらしいです。


〜続きは、21日(土)に!〜