「職業としてのお医者さん」を考える(4)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


今回のK先生への取材で、私の「職業としてのお医者さん」のイメージは、ずいぶん変わりました。
泌尿器科という、自分にはなじみの薄かった専門病院、それも地方病院であったことや、K先生が、とてもオープンにこちらの取材を受けてくださったという点が大きいのですが、


「どんな職業にも、貴賎はない」


という、このブログの連載で、私が最も伝えたいことが、“先生”を前にしても、揺るぎなく自分の中にできた、ということが最大の収穫だったと感じています。


「偏見やコンプレックス、妬みからは、相手の真の姿は決して見えない」
当たり前のことですが、毎回毎回、さまざまな職業の人と接して、そのことの重要性を強く認識します。


頭では分かっているけれど、自分の中の正直な気持ちとして、“先生”には怖じ気づいてしまったり、
「ああ、この人は私とは違う世界の人だ」と感じることも、しょっちゅうあります。
でも、そこで耳を閉ざし、目を閉じ、思考を停止させてしまっては、先に進めません。
もっと平たくいうと、それは「もったいない!」のです。


自分とは違う価値観、世界観を持ち、自分とは違う環境に生き仕事をする人への好奇心を常に失わないこと。
それが、私自身の仕事を豊かにすることでもあり、大げさにいえば、あらゆる職業の価値を認めていくことにつながると信じています。


私のこうした気づきを、このブログで、中高校生への情報として発信できることも大きな喜びです。


今回は、私が見て感じた角度で“先生”を取り上げてみました。患者とは違った立場で接したからこそ、見えてきた部分もありますが、これから先、医師や医療をめぐる様々な報道やニュースに触れたり、医師を取り上げるドラマや小説を見たときに、今までの“先生”のイメージとはまた違う角度で考えることができそうです。
(患者としても、そうかな?)


そこに、尊敬すべき「職業としてのお医者さん」の姿があると、私は強く感じています。
みなさんの接した“先生”の中からの気づきも、ありましたらぜひぜひお伝えくださいね!