働く女性の本音に迫る(3)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


女性が働く上で、やはりネックとなるのが、「結婚・出産」という、人生の転機を迎えたときでしょう。
医者のY先生にそのあたりの話を聞くと、
「女医は未婚3割、離婚3割とも言われます」
との、これまたリアルなお言葉!
医師という職業は、普通の会社勤めで働くよりも、収入の面で有利なため、「結婚して、夫に頼らなくても生きていける!」ということが大きいようです。


一方、Y先生もおっしゃってましたが、「結婚したら医者を辞めてもいい、子どもができたら医者を辞めてもいい、という女性は実際に多いのです」とのこと。


この話に、編集者と私は、「医師という国家資格を持って、一生やっていける仕事(しかも、人々に必要とされる仕事!)につきながらも、それを辞めていいと思えるって、どういうこと!? もったいな〜い!」と、ビックリしたのですが、実際、それだけ、日本の働く社会が、出産や子育てに対して脆弱であるということでしょう。


しかし、Y先生は医師としてのキャリアを重ねるに連れて、その思いが変化してきたと言います。


「女性医師のなかには、結婚をして子育てをしているから、病院に常勤することはできない、という人も多いのです。
そんな女性医師を集めて、医師が不足している病院などに女性医師を派遣できるような、そんな病院を将来開業したいって思っています


同じ女性として、女性の働く場を提供する役割を担いたい!
医師という資格を、もっと活かせる環境を作りたい!
「女性のお医者様でよかった」という、患者様の声に応えたい!


そこには、Y先生の思いが凝縮しています。
医師である前に女性であり、女性である前に医師である。


そんな、2つの思いが溶け合って1つになって、それがY先生のなかに矛盾することなく思いとしてあるのだなあと、私は感じました。
その証拠に、Y先生に、「自分はバリバリのキャリアウーマンである、という自覚はありますか?」と問いかけると、
「ないですね」ときっぱり答えました。


男女雇用機会均等法から20年以上経ち、今なお女性が(男性も含めて)働く環境には、さまざまな問題が山積していますが、実際に働く女性の意識そのものは、フラットに、自然になっている。
今の女子高校生が「キャリア志向の女性に憧れる」というのも、至極全うな現象であると、私は確信したのです。


〜続きは、明日!〜