大きな時代の変化を見る


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


自分が取り巻く環境の変化に鈍感のままでいると、いつしか取り残されてしまう。こんな厳しい現実に立ち向かうためには、積極的に外の情報を入れましょうということを前回書きました。


ただ、日々のニュースとか出来事の表層だけを追っているだけでは、友達との雑談のネタにしかなりません。(それはそれで意味があることですけどね)

むしろ、集めてきた多種多様な情報のそれぞれの関連性や因果関係を考えて、社会や経済の大きな方向性を見極めることが必要になってきます。


「社会全体としてどんなところに私たちは向かおうとしているのか」


というマクロトレンドが見えてこそ、そのなかで自分がどのような働き方、生き方をするのが「自分にとっての幸福」につながるのかが、わかるというわけです。



そこで、今日は、「私たちは、どんな時代を体験してきたのか」について、わかりやすい喩えでご説明しましょう。


最初の時代は「足腰の時代」です。


足を使い獲物を狩をし、腰をつかって鍬を振るい畑を耕す。
人はまず、足腰を使って生計を立てていた。
教科書的にいえば、第1次産業、農林水産業が主流の時代。



次にやってきたのは「手先の時代」


手先を使って様々な道具が作られ、ついには陸を高速で走る自動車や空を飛ぶ飛行機さえ人は製造できるようになりました。ものづくりの出発点は、人だけが持つ手先の器用さ。
第2次産業、すなわち製造業が発生。「工業化」進みました。



その次は、「口先の時代」


サービス業の時代です。工業化の進展で人が金銭労働者化し、従来は家庭内でまかなっていた様々なこと、飲食をはじめとして様々なサービス業が主流となってきました。
サービス業は基本的に人を相手にしますから、接客技術、つまり口が達者でないと駄目ですよね。
第3次産業。



そして、今の私たちがいる時代は「頭脳の時代」です。


IT化の進展ともあいまって、知識や情報が富を生み出すようになりました。
情報産業の会社や経営コンサルティング会社は、頭脳を駆使することで報酬を得ていますよね。
今、脳トレとか、頭脳に対する興味関心もずいぶん高まっていますが、まさに「頭脳の時代」だからでしょう。
第4次産業と呼ばれることがあります。



このようにして、社会・経済の主役は移り変わってきたわけです。もちろん、いまでも1次、2次、3次産業も社会の中で不可欠な役割を果たしています。ただ、すっかり成熟した産業だけになかなか新規参入が難しいし、面白い仕事の空きがないことが多い。(常識のスキをつくことで新たなビジネスを立ち上げることは可能ですよ)


やはり、大きな参入余地があり、変化に富むのは新しい産業ですから、どんな産業分野が今後伸びるそうなのかということについてぜひウオッチしておくことをお勧めします。



さて上記の「足腰の時代」から「頭脳の時代」までの話は、弁護士として著名な高井伸夫先生からお聞きしたものですが、私は、これにもうひとつ、これからやってくる時代を追加しています。


次にくる時代、すでにその萌芽は見えていますが、なんだかわかりますか?


それは「心の時代」です。


特に先進国にあてはまることですが、モノよりも精神的な豊かさや癒しがこれからますます必要とされてくる。高齢化社会も進みますし、関心は外側ではなく、自分自身、すなわち体や心の健康やよりよい幸福に向かうのです。具体的な産業分野や職業としては、介護・医療関連、心理カウンセリングなど、さらに言えば、芸術やエンタテイメントもそうです。


さて、あなたは、こうした時代の変化の大きなトレンドの中でどこに向かいますか、向かいたいですか?


(キャリア・アドバイザー 松尾順)