小論文対策は一日にしてならず


■相手の求めるものを知り、自分の有為を訴える


 学校や企業は、そこに新しく入りたいと志願する人に対して、組織の構成員として必要な能力や資質が備わっているかどうかを見極めようとします。
 その判定方法の一つとして、入学・入社試験には「志望理由書」や「小論文」がしばしば課されます。


 「組織が求めるもの」の内容は、入試要項や会社案内の「求められる人物像」や「アドミッションポリシー」等に明記されています。
 たとえば、東京大学法科大学院の場合、概要の冒頭に、「国民や社会に貢献する高い志と強い責任感、倫理観を持ち、先端的法分野や国際的法分野でも活躍しうる、優れた法律実務家を生み出すことを目的とします」とあります。
 そのため、出題される問題も、「高い志や責任感、倫理観がどれほど備わっているか、そして、今後考えなければならない新しい法的問題についてどれだけ関心を持っているか」などが問われる問題となっています。


 つまり、受験に際しては、まず「相手が何を求めているのかをしっかり調べ、理解する」ことが先決となります。
 そして次に、「相手にとって自分がいかに適材であるかを、的確な文章で表現する」ことが重要となります。


■「書くべき内容の質」と「書く技術」の両方を高める


 記述試験の受験者には、書くべき内容の質と、それを的確に相手に伝達する技術の、両方を高める努力が求められます。
 前者は、いわば人格ともいえるものであり、自分自身のこれまでの経験や不断の思考によって培われたものですので、付け焼刃ではどうにもなりません。
 しかし、後者は技術ですから、適切な練習によれば短期間でも高めることができます。


 法科大学院の受験生の中には、「小論文の対策は、適性試験が済んでからでも間に合う」といった風潮も強いようですが、技術だけを高めても、自分自身の内容が高められていなければ、相手に響く文章は書けません。
 そして、自分の書いた文章が、採点官の心に訴えるようなものかどうかは、実際に第三者に読んでもらい、客観的に評価されなければわかりません。


Z会法科大学院小論文講座


 自分の書いた文章を先生や家族・友だちなどに批評してもらう方法でも、文章力は伸びます。
 ただ、法科大学院の小論文は、法曹の世界で求められるものについてある程度知っている人が評価する必要がありますので、周囲に適任者がいらっしゃらない場合には、Z会キャリア開発コースの「法科大学院小論文講座」をお勧めします。


 この講座では、単に文章の技術面についての指導をするだけではなく、法曹界で働くのに必要な資質や能力などについても、踏み込んだ解説をしていきます。
 本講座の標準学習期間は「3カ月」ですが、まだ何の準備もしていない段階の方には、今の時点から始めていただき、自分自身の志望動機や心構えについても十分に高めていただきたいと思います。
 そうすれば、秋以降の試験期までに、無理なく合格可能レベルに到達できる力が身につくはずです。


 さらに、この講座で学んだものは、志望理由書を書く際にはもちろん、面接試験にも必ず役に立ちます。
 ぜひ、早めの準備をお考えください。


(クロダ)