まじめな人ほど鬱になる


 時代の流れなのか、私の周りにも鬱病を訴える人が多くなっています。


 進学であれ、就職であれ、進路を決めるにあたっては、「本当に自分のやりたいことをみつけなさい。そこに向かって努力することで、幸せな人生は築かれます」といったアドバイスがよくされます。
 そして、その裏返しとして、「やりたいことがはっきりしていないのは、ダメですよ」とする風潮があり、そのせいで、「やりたいことがない」と感じている人の多くが肩身の狭い思いをし、引きこもったり鬱病になったりしているようです。


 しかし、「やりたいことがある」というのは、そんなに立派なことなのでしょうか。
 そもそも、みんながそれぞれ勝手にやりたいことをやったのでは、迷惑です。
 やはり、「人に迷惑をかけない範囲で、やりたいことをやる」ということが基本となります。


 それならば、「人に迷惑をかけない範囲で、やりたくないことはできるだけやらない」という生き方がもっと推奨されてもいいのではないでしょうか。
 そして、人に迷惑をかけずに、やりたくないことをやらないで済ませられる方策や生き方が、もっと積極的に取り上げられてもいいと考えます。
 実は、「やりたいことがある」といっている人の多くも、「やりたくないことをやらずに済ませるために、とりあえず、『やりたいことがある』といっている」のではないかという気もします。


 そのように考える人が増えても、鬱病は減らないでしょうか。

 
(クロダ)