おらがまちのオーケストラの「復活」1


24日、札幌コンサートホールkitaraで行われた、
札幌交響楽団第500回定期演奏会を聴いてきました。


プログラムはマーラー交響曲第2番「復活」


超大編成オーケストラに混声合唱団やパイプオルガンを加えた、大規模で、感動的な作品です。


私は、この曲がお気に入りの一つで、2000年の1月に
小澤征爾指揮/サイトウキネン・オーケストラ東京文化会館での感動的な公演
(CD化され、レコードアカデミー賞を受賞した名演です)も聴きました。また、
家のオーディオを新しくした時などに、真っ先に聴く曲の一つです。



札幌交響楽団(札響)は2002年頃に経営が逼迫し、再建をすすめてきました。


北海道に存在する唯一のプロ・オーケストラです。


私は、1998年から2004年まで札幌に在住し、2002年からの2年間は
札幌コンサートホールkitaraのレセプショニストとして働いており、経営難に苦しむ
札響を目の当たりにしてきました。


思えば、私のレセプショニストデビューも2002年春の札響の定期演奏会でした
(店村眞積さんソロによるヴィオラ協奏曲だったと記憶しています)。


常設オーケストラの宿命でしょうか。
それとも唯一のプロオーケストラという文化的責任でしょうか。
当時の札響は、いわゆるマニアックな作品を多く取り上げている印象がありました。
ウォルトンルトスワフスキなど、知らない曲を聴けるマニア的な喜びは
感じましたが、それ以上の感動はありませんでした


演奏水準としても、世界水準はもちろん、日本のトップからも水をあけられており、
聴いていて満足のできる演奏会は数少なかったです。
また、客層も定期会員が幅を利かせ、接客の要求水準が高く
(悪く言えば、無理難題を要求され)、勤務したくない公演のひとつでもありました。


定期会員の弊害については、あの大指揮者カラヤン(1908-1989)も、
晩年はベルリンフィルハーモニー管弦楽団の定期会員はずしに奔走したという記録が
残っているほどです。定期会員という「既得権」が、本当に並んでまで演奏会を
聴きたい人の演奏会場入りを阻害してしまっている。さらには一部の定期会員は、
モチベーションやモラルが低く(しかもいい席に陣取っている!)、演奏会自体の
雰囲気を悪くするという構図です(もちろん、そうでない定期会員の方もたくさん
いるとは思うのですが…)。


当時の定期演奏会の入場者は5割〜7割程度といった状況でした。


そんな札響がまさに復活を高らかに宣言する500回記念の定期公演。
どんな演奏会だったのか…?


長くなってしまいましたので、当日の様子はまた次回。



(ながの)