競争率の高い仕事を目指すとき(2)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター


動物園で働きたい! と思ったら、どうすればいいのでしょうか?
まず、現実問題として、動物園の飼育係になるのは極めて難しいし、運も必要だということです。


日本動物園水族館協会に加盟している動物園と水族館は159あります。
募集は、公立の場合は公務員試験で行われますが、必ずしも動物園に配属されるとは限りません。
私立の場合も、ほとんど欠員が出た場合募集するというものです。
ですから、就職活動をするときには直接、働きたいと思う動物園に問い合わせるということになります。
このあたり、美術館で働く学芸員と同じような境遇にあると考えていいかもしれません。


飼育係というと、若い人の体力勝負な仕事というイメージかもしれませんが、現在では作業の機械化も進んでおり、女性の方も増えています。50代、60代の飼育係も十分に作業できるといいます。
また、飼育係は動物という生き物が相手で、経験がモノをいうところもありますから、さまざまな経験を重ねた飼育係は重宝されます。ですから、20〜30年と長期間務める人も多く、それゆえ欠員がなかなか出ないというのが、現状のようです。


「じゃあ、動物園の飼育係になりたくてもなれない可能性のほうが高いってこと?」と、がっかりしてしまったそこのアナタ。
たしかに、希望して努力して、必要なステップを踏めば誰もがつけるという仕事ではないかもしれません。
しかし、「動物園で働きたい!」と思う夢を持ち続けていれば、いろいろと道は見えてくるでしょう。


動物園の飼育係には、動物の生態や飼育、繁殖等に関する知識や技術が求められるので、生物系の勉強をしている人が求められる場合が多いです。
農学、生物学、動物学、畜産学などです。
採用条件は各園によって異なりますが、知識や技術があれば農業高校であれ、動物専門学校であれ、大学であれOKというところもあるようです。
まずは、自分が学びたい学問、知識からアプローチしていくことが、懸命でしょう。


「自分はなぜ動物園で働きたいのか?」
「動物の何に興味があるのか?」
いろいろ考えるなかで、答えを見つけてまずは第一歩、進んでみることです。


〜続きは、23日(土)に!〜