首都圏で、地方で働くリアルとは(3)


大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜


【執筆】小谷祐子(フリーライター



さて、「東北で出会ったクリエイター」として、次に紹介したいのが、モデルです!


「え? モデルってクリエイターなの?」


というなかれ。
雑誌や広告が望むような写真を撮るためには、カメラマンの腕も大切ですが、モデルの存在もかなり重要です。
モデルの表情一つ、仕草一つで、写真に写る景色や食事、商品や建物の印象が変わって行きます。
腕のいいモデルは、雑誌や広告などで必要とされる写真がどのようなものであるかを瞬時に理解し、
カメラマンの前で表情やポーズを作って行きます。


モデルはある意味、自分自身が作品になる、究極のクリエイターとも言えるでしょう。


最近は、女性ファッション誌であるモデルが着た服がものすごい勢いで売れるなど、その宣伝効果も狙って各業界が注目しています。
モデル=タレント、と捉えられることも多くなっていますが、撮影現場でカメラマンや編集者、広告ディレクターなどの望むポーズや表情を瞬時に作ることのできるモデルは、「プロだな!」と思い、
その容姿のよさと相まって、尊敬してしまいます。


温泉取材で出会った女性モデルのTさんは、「2日前に結婚したんです」という新婚ホヤホヤの方!
まだ学生、といっても通じるくらいなのに、31歳の大人の女性と聞いて、ビックリしてしまいました。
気取ったところがまったくなく、カメラの前でも元気いっぱいな表情が魅力的な方で、
「この、弾けた感じがいい♪ と編集の方が気に入ってくださって、よくお仕事もらっています」とのことでした。


そんな彼女も、実はモデルだけが仕事ではないそうです。


「地方のラジオ局でDJをやったり、テレビのレポーターの仕事もしています。
アナウンスの勉強もしてみたいって思っているところです」


今は、新婚ホヤホヤということもあって、Tさんは週3〜4回というペースでゆったり働いているようですが、
「伝える」というお仕事に、とても興味があるとのことでした。


彼女は出身も、大学も仙台で、結婚した今も仙台に住んでいるとのこと。
「東京と違って、仙台はのんびりしているところもあって。それは私に合っているかな〜って思うんですよね」


モデルという華やいだ仕事をしながら、しっかりと自分のふるさとに根をおろしている。
その感じがたまらなく、プロっぽいし、こんな風に自然体で仕事ができるなんてすてきだな、と感じました。


ちなみに、撮影場所まで2時間半、自分で車を運転してやってきた、という点も、ペーパードライバーの私には、かなり魅力的に映りました。

〜続きは、明日!〜