研究テーマの見つけ方


初夏らしくさわやかな気候が続いていますが、いかがお過ごしですか?


梅雨のじめじめさもなく、梅雨明け後の暑さもなく、
「気候」という意味では
今が一番勉強に向いているのかもしれませんね。


(とはいえ、3月〜5月の一番さわやかな時期は
一般的には進学や就職、引越し、転勤などの
環境が変化する時期でもありますから、
なんとなく慌しく終わったりするのですよね。
もったいない限りです…!)


大学院入試は9月〜11月(あるいはそれ以降)に
行われることが多いですから、
入試にはまだ少し時間があるこの時期、
皆さんから多く寄せられる質問には、
「研究テーマが決められない」
「参考文献として何を読めばよいかがわからない」
といったものがあります。


そこで、今回・次回と2回にわたって、
研究計画書に書けるような研究テーマを決めるまでの作業を


1)興味のあるテーマを漠然とでもよいので決定する
2)参考文献を読み、テーマを絞り込む


の2段階に分けてご紹介したいと思います。


今回は、第一段階の
「興味のあるテーマを漠然とでもよいので決定する」をご説明しますね。
ご存知の方にとってはあたりまえかもしれませんが、
どうぞお付き合いください。


基本的には、少しでも興味のある分野やテーマがあれば、
それらに関する文献を片っ端から読んでいきましょう。


文献が見つからない場合は、
興味のある内容のキーワードを組み合わせて
(たとえば、「アフリカ」「難民」「紛争」など)、
一般的な検索エンジンや図書館の検索システムなどを
利用して検索してみましょう。
キーワードに関する本がいくつか見つけられるはずです。


「興味のあるテーマ」といわれてもぴんとこない場合は、
普段から世の中の事象やニュースなどに対して積極的に触れ、
自分はどう思うのか、考えるようにしてみましょう。
その中で「あれ?」と思うこと、面白いと思うことがあったら、
こまめに書き留めるようにしてください。


この、「書き留める」のが大事なポイントです。
書くことによって、自分の頭の中にぼんやりと存在する興味関心を
「言葉」という目に見える形でアウトプットすることができるからです。


書き留めたものがある程度たまってくると、
自分の興味がどこにあるのか、
それはなぜなのかが次第に見えてくると思います。
そうしたら、今度はそれらの興味に関する文献を
探して読み込んでいってください。


このようにしてある程度テーマが決定してきたら、
次は、先行研究の中に自分の研究をどこに位置付けるのか、
ということに関連した「テーマの絞込み」にうつります。
これについては、また次回お話しましょう。


次回まで、是非ご自分なりの興味関心に基づいて
本をどんどん読んでいってくださいね。


(すぎもと)