FPから見た投資のはなし6
「タンス預金」対「物価上昇率」3(蛇足)
(前回のつづき)
経済全体がデフレでなければ、お金はタンスに入れておくべきではありません。
なぜか?
以下の3つの理由があります。
- 利子率
- 物価上昇率
- 景気後退の要因
…最初の年には100円で、10個買えたお肉。3年間貯めて3年後に30個買えるはずが、
現金で保有していたがために、27個しか買えないことになってしまいました。
ちなみに、お肉をドルに置き換えてみましょう。
お肉(ドル)の値段が上がり、円の価値が下がりました。
すなわち、円安ドル高ということです。
今は、1ドルいくらでしょうか?
昨日の終値:1ドル=約121.7円
ここ1年ほどでは、110円〜121円台という変動幅です。
日銀の統計によれば、過去、円の価値がドルに対してもっとも上昇したのが、
1995年5月:1ドル=83.19円
以降、現在までの安値は
1998年7月:1ドル=143.79円
その差60円です。
1995年当時、高校生だったのですが、どんどん輸入盤CDの値段が下がっていったのを記憶しています。
もともと、1ドル=120円時に2,000円で売っていた輸入盤CDがあったとします。
1ドル=80円になったら、いくらになるでしょう?
(CDの価格は為替レートにのみ依存するものとする)
1ドル=120円時2,000円は、2000÷120=16.67ドル
16.67ドルを1ドル=80円で換算したら、16.67×80=1333.6円
その差約670円。約33%OFFです。
企業努力による値下げで、ここまでするのは至難のワザですよね。
少なくとも従業員の給料を33%OFFにはできないですよね。
報酬の変動が激しいプロ野球でもできません。
(プロ野球では、減俸幅は最大でも30%と定めれています)
せっかく進めてきた経費削減が、為替下落の原料価格高騰により吹っ飛ぶ。
こんなことは、実はよくあることです。
今は円安の恩恵を受けて、よい決算内容となっている輸出関連企業も、
これが再び円高に振れたときにどうなるか。
その企業の本当の実力を見極める力が、投資には必要なのです。
1ドル=100円が1ドル=200円になるのは(円の数字が上がっているので円高のようですが)、円安ドル高です。
間違えやすい所なので注意しましょう。
- 今日の株価 2007年6月1日(金)
日経平均株価 17,958.88円 17,394.92(前回5月2日比+563.96)
TOPIX 1,767.88 (+63.66)
本日、ザラ場で一時18,000円台を回復しました。およそ3ヵ月ぶりです。
世界同時株安後、各市場が回復し上値を追う中、取り残されていた日本市場に
ようやく活気が出てきました。また、6月は多くの会社の株主総会があります。
注目しましょう。
Z会FP技能士講座担当
(ながの)