忙しいと言うな!


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


今日は、ちょっと説教モードです。あらかじめお断りしておきます(笑)



私は20-30代のころ、異業種交流会に盛んに参加していました。実は、私は決して社交的なほうではなく、どちらかといえば一人でいるのが好きです。基本的に内気な性格ですから、見知らぬ人と会うのは正直苦手です。でもそれじゃダメだと思い、荒療法のつもりで異業種交流会に参加していたのでした。


さて、そうやって参加していた会のうち、メンバーに積極的な参加を明確に求める会がひとつありました。入会に際し、その会のリーダーは、「この会は、何かを与えてもらうことだけを求めている受身の人ではなく、積極的に参加し、会に貢献する意思がある人だけに参加してもらっています。」と率直に言ってきました。私としては、そのやや高圧的な物言いにちょっとむっとしたものの、よく考えれば、そうした会はきっと有意義だろうと感じて早速入会を決めたのです。


実際、会の内容や運営はかなりしっかりしたもので、魅力的なメンバーが集まっていたと思います。ただ、しばらく参加して気づいたことがあります。積極的に参加することを入会時に約束しながら、結局のところ、自分が関心のあるテーマの時にしか顔を出さない人が多かったのです。その結果、参加者が2-3人だけの時もありました。



参加しない理由は多くの場合「忙しいから」ということでしたが、それは言い訳に過ぎないと私は内心感じていました。おそらく、真実は、忙しいんじゃなくて、「他にやりたいことよりも優先順位が低いから」ということじゃないかと思っています。もちろん、実際に仕事が猛烈に忙しかった人もいたと思います。しかし、会は週末の土曜か日曜に開かれていましたし、入会時にそのこともわかってたことですから、本当に顔を出せないことはなかったはずなんですよね。


私は、この会の経験を通じて、「忙しい」という言葉を自分では使わないことに決めました。「何かをやらない、あるいはできないのは、自分が、その優先順位を他のことより低く置いているから」という真実を直視することにしたのです。そうしないと、何事にも、「忙しい」ということを、何かをやらないことの言い訳として安易に使ってしまうからです。


あなたは、「忙しい」という言葉を言い訳に使ってませんよね。



単なる挨拶がわりとして使ったり、付き合いたくない人からの誘いに対して、「忙しいので・・・」と、相手を傷つけないように断る言葉として使うのなら問題ありません(こんなうそを「ホワイトライ」というんでした)。でも、たとえば、

スキルアップのために英語力を高めたいと思ってるんですけど、忙しくてやってる時間がないんです。」

という言い方は、自分をごまかしている言い方です。こんな言い方をしているかぎり、あなたは自分を成長させることができません。そこで、上記の文章は、次のように言い換えることをお勧めします。

スキルアップのために英語力を高めたいと思ってるんですけど、他のことよりも優先順位が低くてできないんです。」


これ、ちょっと矛盾した表現に聞こえますよね。実際、矛盾しています。やりたいと思っているのに、優先順位が低いというのはどういうことなのか?優先順位が低いというのは、逆に言えばやらなくてもいいと思ってるんじゃないのか?



要するに、何かを行動に移せないのは、自分自身がその優先順位を落としているからなのです。


この点に気づくことはとても重要です。本当に何かをやりたいのなら、あるいは、やるべきだと思っているのなら、優先順位を上げて、それをやる時間を作り出すことができるはず。だって、どんなに忙しくたって、大切な恋人のためにはなんとか時間を作って会おうとしますよね?それは、恋人と会うことの優先順位を上げているということなんですよ。もし、「忙しい」という理由で会う時間を作らないとしたら、それは、「他のことよりも優先順位が低い」という判断を自分が下している真実を認める必要があります。


すなわち、「なにかをやれないのは優先順位を自分で下げている」という真実を認めることができた時に初めて、「ではどうしたら優先順位を上げ、行動に移すことができるようになるのか」(あるいは、そもそも、それを自分はやりたいのか?)ということをしっかり考えることが可能になります。すると、本当にやりたいこと、やるべきことをちゃんと行動に移せるようになります。「忙しい」という言い訳は不要になるのです。


(キャリア・アドバイザー 松尾順)