これ1冊でOK?


仕事柄,書店に行くとつい語学コーナーに寄って最新動向をチェックしてしまうのですが,帯のコピーでよく見かけるものに
「〜はこれ1冊でOK!」
というのがあります。


この,何とも胡散臭いキャッチコピーに半信半疑ながらも,つい手にとってしまう人は多いでしょう。私も,仕事に必要だからという理由ではなく,この手のコピーにつられて個人的に語学書籍を買ってしまったことは何度かあります。


しかし,よほどの悪書でない限り,このコピーに偽りはないと思います。
熾烈な語学書の競争の中で,最近はどの本も学習効果を高めようと本当に工夫を凝らしており,完成度の高いものが多いと思います。ただ,私は「"完成度が高いから,内容がいいから"これだけでOKだ」と感じるわけでもありません。


「この1冊でOK」というのは,「この本の内容を完璧に自分のモノにできたらOK」と読み替えるべきです。で,極論かもしれませんが,どんな書籍であっても,完璧に吸収できたとすれば,その本はあなたにとって最良の1冊になるはずです。


単語集,TOEICの問題集・・・市場には類書が溢れていますが,何を使おうとも,結局のところそれを使って頑張るのは読者自身です。著者がうまいこと引っ張っていってくれて,気がついたらあっという間に単語力がついていた!・・・なんてうまい話はありません。どれだけ覚えやすい工夫がされている単語集でも,本気で覚える気がなければ大して効果はないでしょう。


要するに「ちゃんとやれば,何でもいい」と個人的には思うのです。
でも,「ちゃんとやる」というのがじつは一番の曲者なんですよね・・・。


(アンザイ)