小論文に関する伝説?


 小論文の試験に関しては、以下に挙げるようなさまざまな「伝説」が語られています。
 その原因は、これらが「常識」というほどの社会的なコンセンサスを得られていない事柄であるにもかかわらず、試験者側から明確な採点基準や解答が公表されていないからです。
 実質的に密室である採点現場で何が行われているかは推測の域を出ませんが、一応知っておいたほうがいい対策を述べておきます。


■制限字数に従わないと不合格?
 制限字数の8割に足りないような答案は、内容的にも不備があると考えられますが、「小論文は字数や見た目よりも内容が重要」ですので、1字や2字の過不足で不合格になることは、通常はないはずです。
 しかしながら、あまりに受験者が多い場合などは、内容を読む以前の段階で、条件から外れる答案をバッサリ足切りしている可能性がないとは言い切れません。
 したがって、制限字数を超えない範囲で、制限字数ぎりぎりに書くことを、できる限りめざしましょう。それは、現代社会人に必要な実務能力の一つともいえます。


■マス目の空白部分も字数として数える?
 「行頭の1字空きや、改行後の空白などは字数として数えず、文字と句読点のみを数える」という説もあるようですが、多くの答案を短時間で評価しなければならない実際の採点現場で、そんな悠長なことをしていないのは明らかです。
 したがって、「字数は行単位で計算する」と考えるのが妥当であり、上記の制限字数のことも考え合わせると、「最後の句点も含めて、最後の行内にきれいに収める」のが、一番確実な書き方といえます。


■薄い文字で書くと不合格?
 薄い文字に限らず、崩した文字、雑な文字など、読みにくい文字は合格可能性が落ちるということがいえます。
 採点官は、読むのにストレスを感じるような答案に対しては、どうしても評価が辛くなりがちです。場合によっては、ろくに読まずに不合格にする可能性すらあります。
 上手な字でなくてもよいので、HB以上の濃い目の鉛筆(あるいは指定の筆記具)を使い、大きめの文字でしっかりと書きましょう。
 そういう書き方に慣れていない人は、少しでも訓練をしてから試験に臨むことを勧めます。


■誤った漢字を書くよりもひらがなのほうがよい?
 できるだけ正しい漢字を思い出して書くほうがよいのですが、試験の現場でどうしても漢字が思い浮かばないこともあります。そういう時は、「誤字を書くよりもひらがなのほうがまだマシ」というのが、一般的な認識です。 
 漢字で書くべきところがひらがなだと、採点官の心証は悪くなりますが、中学生でも書けるようなあまりにも基本的な漢字でない限り、ひらがなで書いてあっても大きく減点されることはないと思われます。


 以上、いずれも必要以上に神経質にならなくてもかまいませんが、できるだけ誰にもケチをつけられないような答案を書くように努力してください。


(クロダ)