XとYの法則


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


今年の流行語大賞に入賞間違いなし!


「そんなの関係ねぇ!」


を引っさげて、現在ブレーク中のお笑いタレント、小島よしおは好きですか?


「うーん、やっぱりちょっとキモいなあ」というのが、私の正直な感想です。



さて、彼は、「一発屋」のにおいがプンプンしてますね。外見も同じ「海パン芸」で、一瞬だけブレークした昔の「ルー大柴」をほうふつさせます。まあ、彼自身、自分が一発屋であることを素直に認めていますけど(笑)。


ただ、テレビ番組での島田紳助とのやりとりを見てると、なかなか当意即妙の答えができますね。私が言うのもなんですが、結構「地頭(じあたま)」は良さそうです。私はふと、小島よしおが、紳助が説く「XとYの法則」を知っているかどうかが気になりました。



「XとYの法則」は、島田紳助が体験を通じて編み出した、


「タレントとして売れ続けるための法則」


なのです。


「XとYの法則」における、「X」とは、タレントが持つお笑いのスタイル、すなわち個性や強みのこと。一方、「Y」とは、「お笑いのトレンド」です。紳助は、お笑いの世界で「売れる」ためには、まず、自分たちのスタイルを理解すると同時に、

  • 今受けているお笑いのスタイルはどんなものか
  • また、今後受けるだろう新しいスタイルはどんなものか


を把握する必要があると考えています。「お笑いのトレンド」とは、その時々で大衆が求める「お笑いニーズ」と言い換えることができると思いますが、要するに「XとYの法則」は、


「(変化する)お笑いニーズと、お笑いの供給(自分のお笑いのスタイル)のマッチング」


というビジネスにも通じる基本原則のことなんですね。紳助は、“XもYもわかっていない芸人が多い”と言っています。これはお笑いの世界だけでなく、一般企業や個人にも言えることでしょう。



一発屋は、偶然にX(自分の強み)とY(世の中のニーズ)がたまたま合致して売れた人です。
そして、すぐに没落してしまうのは、本人がXとYを理解していないかったから。


Y(世の中のニーズ)が変わってしまうと、ついていけずに大衆から見捨てられる。それが「一発屋」です。しかし、長期にわたって収益を上げる企業や長く活躍できる人は、X(自分の強み)が何かをわかっています。そして、変わり続けるY(世の中のニーズ)をしっかり分析して、YにXがうまく合致するように微調整をしているのです。



一般ビジネスパーソンのキャリアデザインの枠組みで考えても、会社(雇用側)が求めるスキルや知識と、自分の現在のスキル・知識がぴったり合うことはほとんどありません。仮に現時点でぴったり合っていたとしていても、会社があなたに求めるスキルや経験は、絶えず変化していきます。


したがって、あなた自身も、今できることだけにあぐらをかいていないで、微調整する努力、要するに、今後求められるスキルなり知識を学習し続けることが、一発屋で終わらない、つまり会社に「あなたはもはや不要です」といわれないために必要なのです。


小島よしおにも、「XとYの法則」をしっかり理解して欲しい、そして、「そんなの関係ねぇ」を凌駕する新しい芸を生み出して、「一発屋」で終わらない立派な芸人へと進化することを期待したいと思います。


(キャリア・アドバイザー 松尾順)