自分の未来を予言しよう!


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


5、6年ほど前に開催された、ある半日のセミナーで一緒になったというだけの縁なのに、いまだに年に1、2回定期的に集まっている仲間たちがいます。みな、別々の会社で様々なポジションに就いていて、まったく利害関係のない集まりです。ですから、本当に気のおけない、ざっくばらんな楽しい会話で毎回遅くまで盛り上がります。


実はこの会、きっかけが自然発生的なこともあって名称がありません。もちろん、別に名称がなくても困りはしないのですが、以前に一度、私の提案で「予言の会」として集まったことがあります。「予言の会」なんて、ちょっと怪しい響きですよね。でも、内容は決して怪しくありません。「予言の会」でやったことは、各自が順番に、将来の夢をみんなの前で話すというものです。語る夢は、10年以上先のものでも、3〜5年先の比較的近いものでもなんでもOK。


「自分の未来はこうしたい、こうあってほしい」


という思いを自分の胸の中にだけしまっておかずに、仲間に公言することが目的でした。


さて、私が「予言の会」を提案するに当たって、仲間に説明したのは「自己成就的予言」というキーワードです。「自己成就的予言」とは、「自分の未来はこうなる(こうしたい)」と強く願っていると、実際に実現することが多い、という現象のことです。


これは不思議なことでも何でもありません。「こうあってほしい」という願望を持っていると、意識的・無意識的にその願望が実現するような行動をしてしまう。その結果、その予言が成就しやすくなるというだけのことです。


そこで、「予言の会」では、あえて各自の「夢」を意識的に言葉に出し、みんなの前で「予言」することによって、その夢の「実現可能性」を高めましょうという趣旨だったのです。



この「自己成就的予言」は、あなたも今日からでも活用することができます。あなたの夢はきっと叶うと信じ、それを「予言」として周囲の人に伝えるのです。


たとえば、あなたが、どうしても中国に関係する仕事がしたいと思っていたとします。でも中国にはなんのツテも知り合いもいない。どこから手をつけていいかもわからない。でも、どうにかしたいという思いが強いのであれば、そのことを会う人会う人に「夢」として語りまくるのです。あるいはブログなどに折に触れ書くのです。そのうち、「中国に詳しい人に先日会ったから、紹介しようか?」などと言ってくれる友人が出てきます。あるいは、たまたまパーティで隣になった人が、「えー、あなた中国に関心があるんですか。私は中国関連ビジネスをやってるんですよ!」などと、幸運な出会いが起きたりします。


成功している人の多くは、成功の理由を聞かれた時、「運が良かった」とか、「偶然のいい出会いがあった」と説明することが多いですよね。しかし、「幸運」や「偶然のいい出会い」は、「成功したい」という強い思いが様々な行動に反映され、その結果としてひきよせられたものに過ぎません。すなわち、「自己成就的予言」が効果を発揮したおかげで成功したということなのです。



もちろん、すべての予言が実現するほど世の中は甘くありません。しかし、社会の中で生きている私たちに「運」を運んできてくれるのは、ほとんどが「人」です。「幸運」も「悪運」も両方ですけどね。ですから、自分の未来は、自分の夢は外に出す。つまり、紙に書く。そして皆に語る。そうやって夢を語る行動を起こし、多くの人と出会うなかから、夢の実現につながるチャンスを掴み取るのです。


いわゆる「自己啓発本」を読まれた方はおわかりになると思いますが、ほぼ全ての本に共通して書かれていることは、自分の将来の夢や目標を紙に書きだすことなんですよね。これって要するに「自己成就的予言」の考え方がベースにあるわけです。


ちなみに、自分の夢を紙等に書きだすだけではなく、他人に公開することはプラスアルファの効果があります。それは、他人に話すことによって「もし実現できなかったら、言った手前恥ずかしい」と後に引けなくなるという点です。これを「宣言効果」と呼びます。


さあ、あなたも自分の未来をみんなの前で予言しましょう!


(キャリア・アドバイザー 松尾順)