積極思考で読む


英文を読んでいて,「理解できない」と感じるとき,何が原因だと思われますか?「読解力がないから」でしょうか?それとも「単語力がないから」でしょうか?


どちらもその通りなのですが,では単語力がついたら英文が読めるようになるかというと,ズバリNo!です。まず,当たり前すぎることですが,全部の単語の意味を知っていても,書かれている内容の背景を知らないと理解できるはずがありません。意外に思われるかもしれませんが,しっかりと背景知識を持っていれば,その英文の6〜7割は読めたも同然なのです。「あっ,この話知ってる!」と思ったらしめたものです。


では,そういう前提知識がない場合はどうするか?あるいは単語力がなくて悩んでいる場合は?…答えは「積極性」をもって読む,です。


TOEIC Test トレーニング法 徹底ガイド』(Z会)の著者でもある,英語スクールICC代表の千田潤一先生がこんなことをおっしゃっています。

○×○×○×○×○×…という英文があったとしましょう。○はあなたの知っている単語,×は意味の知らない単語です。半分は意味がわかり,あとの半分はわからないという状態ですね。ここで人は2種類に分けられます。『半分わかるのだから何とかなるだろう』と考える人(タイプ1),『半分しかわからないからお手上げだ』と考える人(タイプ2)。どちらが伸びると思いますか?…もちろんタイプ1の人ですね。

ここで1つ,私なりの考えを加えたいと思います。「何とかなるだろう」という積極性を支えるのは,「好奇心」に他ならないと思います。ただ「何とかなる」と楽観的になるだけでは不十分で,「何が書いてあるのかな?…ああ,なるほど,あの話か,聞いたことあるな…えっそうだったの!?知らなかった…!」こんな風に独り言を言うみたいに読むのです。


単語の羅列に引きずられるようにして読むのではなく,知っている単語の意味と自分の最大限の好奇心を総動員してストーリーを想像するのです。「こんなことが書いてあるのかな?」と想像しながら読むと,自分の想像と合っていたり違っていたりして,それが好奇心を持続させてくれます。


この方法は速読にも役に立つと思います。1語1句理解しようとするのではなく,「何が書いてあるかをまず知りたい」と思う気持ちが読む速度を上げてくれるからです。「積極的に」読みましょう。そうすると,なんだか生き方まで積極的になってくるような気がするのは私だけでしょうか?


(アンザイ)