負けてしまいました…


北海道日本ハムファイターズ


昨年のパ・リーグ日本シリーズアジアシリーズを完全制覇したチームの柱であった、小笠原選手が巨人へ移籍し、新庄氏が引退し、中継ぎで活躍した岡島投手がレッドソックスに移籍し、チーム力としてはマイナスの状態からのスタートとなりました。


シーズン開幕前後、「チームとして完成するまでには2、3年はかかるだろうなぁ。それまでは我慢だ」と思っていました。


開幕直後は最下位にもなりました。
「最下位はちょっとヒドすぎるけど、こんなもんだよね」と思いました。


それが、シーズン優勝してしまったのです。
東北楽天の野村監督のコメント「なんとなく勝ってしまう。負ける気がしないのに、気づいたら負けている」という戦いぶりのように、するすると勝ち上がってしまいました。


2、3年かかると思ったことが、2ヶ月くらいでできてしまったのです。


『エンジョイ・ベースボール』
ずば抜けて才能のある選手は、成長著しいダルビッシュ投手を除けばいません。
でも、全員が全員のことを信頼して野球をしていました。


ファイターズほど、選手が伸び伸びとプレーできている球団はないと思います。


敗色濃厚なときでも笑顔を見せる選手に、一部で批判もありました。
でも、笑顔でコミュニケーションをとることが、チームという組織運営にどれほど役に立つか。


負ければ悔しい。悔しさをベンチを蹴って解消するのか、ミスをした選手を罵倒するのか、笑顔で励まし改善策を考えるのか、どれがよいでしょう?


中日に王手をかけられて臨んだ、日本シリーズ第5戦の試合前、ファイターズベンチ前で崖けっぷちの選手が円陣を組みました。
…グリン投手のお誕生日を祝ったそうです。


そのグリン投手も、昨年東北楽天でプレーしてファイターズと対戦し、「このチームの一員となりたい」と思い、移籍を決意したそうです。


札幌ドームでは、観客席は基本的に白いユニフォームで埋め尽くされるのですが、ところどころ、新庄氏の鮮やかな赤、森本選手の田中賢介選手のピンク、限定で着用した北海道ユニフォームの、さらには、打席に立つ選手によって、緑のマイク型風船(森本選手)や、黄色いバナナ型風船セギノール選手)、水色の「誠」タペストリー金子誠選手)が次々と登場し、もう訳がわかりません。


選手に負けず劣らず、ファンも伸び伸びしているのです。


『エンジョイ・ベースボール』


負けて悔しいですが、笑顔で来年のファイターズに思いを馳せたいと思います。


(ながの)