「D」から始めてみよう!


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


PDCAという言葉を聞いたことありますか?


これは、


Plan-Do-Check-Action」(計画段階実行段階検証段階改善段階


の各単語の頭文字を取った略語です。


「Action」(改善)の後は、再び「Plan」(計画)に戻ります。つまり、「PDCA」はぐるぐるとサイクルのように回すことになっています。「PDCA」は、一般に「マネジメントサイクル」と呼ばれています。企業経営に限らず、何か物事をやろうとする際には、この順序で取り組むべきであると説明されています。




さて、このサイクルの中で特に重要なのは「Check」(検証)の段階です。計画に基づいて行動した結果(実績)が、どの程度計画通りに進んでいるかを確認し、もし「計画」と「実績」の間に「ずれ」(差異)があれば、そのずれが発生した原因、つまり行動上の問題点を把握し必要な改善をします。もし、そもそも「計画」自体に無理があるようであれば、計画を修正した上で再び実行するという流れを繰り返して、目標に近づいていくというわけです。


先ほど企業経営に限らずと書きましたが、たとえば試験勉強なども基本的にPDCAサイクルで進めれば効果的、かつ効率的です。計画をしっかりと立てた上で行動に移し、かつ細かく行動や計画を見直していくので、無駄の少ない勉強ができるというわけです。



ただ、どんな時でも「PDCA」の順番でやるべきとは思いません。例えば、まったく未知の世界の何かに取り組もうとする時、全体像が見えないため、きちんとした計画を立てることはそれほど簡単ではありません。このため、うんうん唸ってばかりで一向に計画が立てられず、なかなか実行段階に移れないということが起こります。


しかし、よく考えてみれば、計画を立てることが最終目的ではないはず。目指したいゴールに到達することが本来の目的です。そこで、多少の無駄や非効率を承知の上で、最初は粗い計画のまま(あるいは計画なし)でもいいので、とりあえずやれることから始めてみるという手があります。つまり、PDCA「D」からサイクルをスタートするわけです。


実際に行動してみると、ただあれこれ頭だけで計画を練っていたのとは異なる手ごたえや実感を得ることができます。そしてしばらくして「Check」、つまり検証してみると、まだ直感的なレベルではありますが、「このやり方でいけそうだ!」、あるいは逆に「これではうまくいきそうもないな・・・」という感触があるでしょう。その時点で、しっかりとした計画を立てればいいわけです。



一切行動しようとせず、机上だけで考えて現実離れした計画を立ててしまい、文字通り「計画倒れ」になるよりも、まず行動してみたほうが実行可能性の高い計画が立てやすい。これは、私自身の経験からも言えることです(もちろん、無計画に行動するばかりを続けていたらダメですよ)。


あなたが、いつも計画倒れに終わりがちだという自覚があったら、一度「D」から始まる「DCAP」のマネジメントサイクルで物事に取り組んでみたらどうでしょうか?


(キャリア・アドバイザー 松尾順)