外国人との共生について


我が家の近くには、外国人が多数入居しているアパートがあります。そのため時折、中国語の夫婦喧嘩や、スペイン語の楽しげな会話が聞こえてくることがあります。静岡県の東部は、人口に占める外国人の住民比率が高いのだそうです。
そのせいか、先週は沼津市での技能五輪国際大会を初めとして国際交流関連のイベントが多くあり、私は、沼津市の原地区で行われた青木盛久氏(かつて4ヶ月にわたる人質生活を送った元ペルー大使)の講演に行ってきました。


講演のテーマは「外国人との共生について」。――共に生きるためにはお互いに善意を持っていることが前提だが、善意があるだけではダメで、お互いに利益があることが必要、という内容でした。
まったくその通りだと思いますが、今こうした意見を述べざるを得ない背景には、「出稼ぎで来ている外国人労働者には利益があるものの、受け入れている日本人の側は損をしている(と感じている)」という日本人側の認識があるように思います。


しかし、たとえば日本の経済を支えている多くの輸出商品は、人件費にコストをかけると国際競争力がなくなってしまいますが、雇用主が想定している賃金では、商品を作る日本人労働者はもう集まりません。また、長野の野菜農家でも、日本人は田舎での朝早くからの肉体労働を嫌うため、「研修生」と名付けられた中国人労働者がいなければ、出荷すらできないそうです。
つまり、我々日本人の生活は、外国人の労働力がないと成り立たない状況になりつつあるということです。


「できるだけ外国人には日本で働いてほしくない、住んでほしくない」と感じている日本人もまだ多いのかもしれませんが、その労働力は日本人の生活を支えるまでになっています。つまり、すでにお互いに利益は得ているのであり、そうした外国人の日本への貢献について、我々は知るべき段階にあると思います。


(クロダ)