FPから見た投資のはなし2


「タンス預金」対「利子率」①


前回のつづき)


経済全体がデフレでなければ、お金はタンスに入れておくべきではありません。


なぜか?
以下の3つの理由があります。


今回と次回は、「利子率」についてお話します。



タンス預金は、資産の目減りがなく安全ですよね。


…本当に安全ですか!?

資産が盗難にあったら、家が火事になったら、地震が起きて倒壊してしまったら…
いろいろなリスクが潜んでいます。



「大丈夫、金庫にしまっておくから」



では、その金庫はいくらするのでしょう?
楽天市場で「耐火金庫」と検索してみました。
金庫は安いものでも5,000円以上、高いものだと130万円を超えるものもあるようです。
これら費用は、資産の維持管理費用としてかかることになるのです。


さらに、利子率について考えます。


例えば、銀行に預ける場合、利子率に応じて利息がつきます。
それが儲けとなり、資産が増えていくことになります。
2月21日の日銀の利上げ実施により、各銀行でも利上げが行われた結果、
普通預金で0.2%程度が相場のようです。どれくらいの利息でしょうか。

問題 年利0.2%で100万円を10年間預け入れた。10年後はいくらになっているか?
  (1年複利。税金は考慮しないものとする)

1年当たりの利息は1,000,000円×0.2%だから、2,000円。2,000円×10年=20,000円
(もしくは、利息部分が年利の10倍だから、2%で、1,000,000円×2%=20,000円)、
だから、1,020,000円というのは不正解です。


預金通帳を注意して見ていただければ分かると思いますが、
利息は預金残高合計に加算されていますよね?
今年獲得した利息は、来年の再投資に回されているのです。ですので、2年目は1年目の利息がついた額、1,002,000円に0.2%の利息がつくことになります。

問題の答えは、以下のようになります。
1,000,000×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002×1.002
=1,000,000×1.0201809…
1,020,181円(答え)

これを年平均の利息にすると(「利回り」といいます)、0.20181%に相当します。
利子率(「表面利子率」といいます)0.2%よりも利率が高くなるのです。
これを複利運用といいます。


債券(国債社債)や、株式についても、同様に利息またはそれに準ずるものがつきます。
これについてはまた次回。


  • 今日の株価 2007年2月21日(水)

 日経平均株価 17913.21円 (前回2月7日比+620.89)
 TOPIX  1787.23 (+58.87)

2006年4月7日高値(終値)17563.37円をついに更新し、
18000円の大台に手が届くところまできました。→2月22日ついに18000円を突破しました!
2000年頃のITバブル以来の高値水準となっています。




Z会FP技能士講座担当
(ながの)