研究テーマの見つけ方(2)


さて今回は、前回の「興味のあるテーマを漠然とでもよいので決定する」
に引き続き、研究計画書に書けるような
研究テーマを決めるまでの作業をご紹介します。


今回は
2)参考文献を読み、テーマを絞り込む
について、です。


ある程度自分が研究したいな、と思うテーマが見つかってきたら、
今度は、そのテーマに関する文献・論文をさらに深く読み込んでいく作業にうつります。
まず、この段階ではできるだけ学術論文を読むようにしましょう。
(一般書ではなく、学術論文にすることがポイントです。)


そして、自分のテーマ・問題関心に近いな、と思える論文を見つけたら、
必ずその論文の末尾にある参考文献リストを確認してください
そこには、その論文を書くにあたって参考にした
文献や論文の一覧が書かれているはずです。


その論文はご自身の問題関心に近いテーマを扱っているわけですから、
そこに書かれた文献リストは、
ご自身にとっても大いに参考になるはずなんですね。


ですから、今度はそこで書かれていた文献・論文を探して読み込みましょう。
そして更にそれらの文献・論文の参考文献リストを確認し、
そこに紹介されたものを更に読み込む…というように
芋づる式に調べると、そのテーマに関する参考文献はかなり集まってくると思います。


こうして集めた参考文献を読み込み、その内容を整理していくと、
そのテーマに関するそれまでの研究(先行研究といいます)が
どのあたりまで研究しているのか、また、その限界や問題点、
抜け落ちている視点、などが見えてくるでしょう。


そうしたら、たとえば、
「先行研究ではこのテーマについて、このような研究が行われていた。
が、この視点からの研究はない。
よって、自分はこの視点からこの問題について検討してみたい」
など、先行研究の中に自分のテーマを位置付けることが可能になります。


大学院ではアカデミックな「研究」を行うのですから、ご自身の研究テーマが
既存の研究のどこに位置付けられるのか、そのテーマの意義は何か、
という点は、確実に明確にする必要があります。
そのためにも、先行研究の読み込みと整理は非常に重要です。


ただし、論文を読めばそれだけ、それらの論文の主張に流されてしまい、
ご自身の関心がわからなくなってしまうこともあります。


ですから、それらの論文に対して自分はどう思うのか、
論文から少し距離をおいて考えるくせをつけましょう。
作業1)の時のように、自分はどう思うか、なぜそう思うのかを
書き出すようにするとなおよいですね。
作業1)の時に書き留めたものがあれば、それを手がかりにして
自分なりに考えていくこともできると思います。


研究計画書は一朝一夕にはできませんから、
早めに取り組むのが大事ですよ。どうぞがんばってくださいね。



(すぎもと)