年金記録確認第三者委員会がスタートしました


今日は。社労士講座担当のイシワタです。


前回、前々回のブログで年金記録問題を取り上げましたが、
いよいよ明日から始まる(実質、もう始まってますが…)
参院選挙でも争点の一つになっています。


選挙戦略という面もあると思いますが、
年金記録の事実認定を行う第三者委員会の動きが具体化しています。


10日には「年金記録確認中央第三者委員会」がまとめた
給付判断の基本方針を、総務相が正式に決定しました。
また、今週中に地方第三者委員会が
50カ所すべてで発足することになりました。
この地方第三者委員会では、
社会保険事務所で給付が認められなかった人たちの相談を受け、
給付の可否を判断することになります。


17日から相談業務を開始するとのことですが、
問題は給付可否の判断基準です。


報道では、本人の申し立てが
「社会通念に照らして、明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」
とする給付判断の基本方針に沿い、
預貯金口座からの引き落としや健康保険の加入記録、
家計簿といった「関連資料」のほか、
雇用主の証言などの「周辺事情」に基づき、
幅広く給付を認めるとのことです。


明らかな証拠がない場合の判断基準ですから、
なかなか難しいと思います。
スタートから完璧な基準を設けることはできないでしょう。
運営しながら妥当性を高めるという作業を続けていくのでしょうか?
また、判断基準が修正された場合には、
先に審査を受けた人に対しての救済はあるのでしょうか?


18日には全国の地方委員会の委員長が集まり、
基本方針の徹底を図るということです。


給付認定の作業は現実的な妥当性水準から始まるでしょうから、
まずは、地方ごとに給付可否の判断基準が
ぶれることのないようにしていただきたいと思います。


なお、前述の中央委員会には、
年金の専門家である社会保険労務士から
小澤勇・東京都社会保険労務士会副会長(敬称略)が参加しています。
これから明らかになる地方委員会でも、
多数の社労士の方々が加わるものと思います。
年金実務の専門家として、活躍を期待したいところです。


(イシワタ)