FPから見た投資のはなし7


「タンス預金は景気後退の要因」1


前回のつづき)


経済全体がデフレでなければ、お金はタンスに入れておくべきではありません。


なぜか?
以下の3つの理由があります。


前回から、かなり間があいてしまいましたが、いよいよ最後の理由「景気後退の要因」です。


お金をタンスに入れておくと景気が後退する??
迷信のような話ですが、理論的裏付けがあります。


景気は「金回り」と言われています。
金回りを止めてしまうと、景気が悪化するのです。モデルで考えて見ましょう。

  • Aさんに年200,000円の収入があるとしましょう。
  • Aさんは、200,000円の収入のうち、100,000円を食料品に、残りを投資にあてているとします。
  1. Aさんは100,000円を、Bスーパーにパンの対価として支払いました。
  2. Bスーパーは、流通業者Cから80,000円でパン製品を購入しました。
  3. 流通業者Cは食料品加工会社Dから60,000円でパン製品を購入しました。
  4. 食料品加工会社Dは原材料(小麦粉など)を農家Eから30,000円で購入しました。
  5. 農家Eは苗や肥料などを10,000円で購入しました。

※上記以外の製造・流通に係る原材料や仕入はないものとします

  • 残りの100,000円は食料品加工会社Dに投資しました。
  • 食料品加工会社Dは、100,000円で10年は使用できる「売価にして60,000円分の生産量を誇るおいしいパン焼き機械」を購入し、利益の3分の1を投資家に還元しています。


さて、この経済活動(のみ)によるGDPはいくらでしょう?
ヒント:GDPは付加価値の合計です。


答えはまた次回。


  • 今日の株価 2007年9月12日(水)

 日経平均株価 15,797.60円 (前回6月1日比▲2,161.28)
 TOPIX  1,528.27 (▲239.61)

本日後場、安倍首相の辞任報道が市場を駆け巡りました。発表直後から株価は乱高下。
政局不安の後退から急激な上昇の後、結局前日を割り込む水準で引けました(下落要因には、消費動向調査の結果もあるような気がしますが…)。日本市場の主要なプレイヤーである外国人からみて、「安心して投資できそうだ」と思える政治状態になれば、米国景気後退懸念などで急落しても、業績好調な企業の多い日本株をちゃんと見直してもらえるはずなのですが…
市場では、すでに「麻生関連株」に物色の矛先が向いているとか。
すごいですね…


Z会FP技能士講座担当
(ながの)